マザース三日坊主

猫を病院へ

当然のことですが猫に言葉は通じません。
とは言え、一緒に暮らしていると互いに何を思っているかはだいたい察しがつきます。
お腹がすいたんだな、扉を開けて向こうに行きたいんだなとか、おしっこが出て気持ち良くって叫びたいんだなとか、いろいろです。
こちらのことも、これだけはやって欲しくないこと、例えばキッチンに上がるのは危ないので止めてと、何度も怒っているので悪いことだと伝わっています。そういう関係。

突然、猫の話を始めてしまいました。
私はこの春10歳になったオス猫と、子猫の時から暮らしています。
今日はその猫のことをちょっと。
その猫が去年の夏、原因不明の治療法が確立していない難病にかかってしまいました。でも悲しいお話しじゃないので、ご心配なく。

8月、熱中症がTVのニュースになった暑い日、なんだかぐったりしているので猫も夏バテするのかなと思っていたら、その翌日には食事が出来なくなり、数日後には急激に弱ってしまいました。飼い主はただジタバタするばかり、獣医さんに急いで連れて行くと、その時点で生死の境の数値ギリギリ、即入院、集中治療で24時間監視、急変したらすぐに電話で呼び出すから覚悟をしておくよう言われました。
その後のあれやこれやは長くなるのでやめますが、獣医さんの治療が効いたのか、或いは猫が強運だったのか、8ヶ月ほど経過して、今はほぼ快復し病気発症前とほとんど変わらない生活に戻っています。ただ完治ではないので定期的な検査のために通院は続いています。
猫は病院が大嫌い。それは言葉が通じなくても分かります。全身で嫌だと言います。
病院行きを察知すると脱兎のごとくベッドの下に避難します。
病院に連れて行く理由を説明することはできません。猫には病院へ行く理由がありません。でも私は必死になって猫の気持ちを踏みにじり、ベッドの下からひっぱり出して病院へ行き続けました。言葉がない関係。猫に「ごめんね。」の言葉は通じません。
通院は最初10日間の入院のあと3日おき、1ヶ月後には1週間おきになり、改善するにつれ、1ヶ月おきと間隔があいて、今は順調に2ヶ月おきでよくなりました。

鳥羽連結

今、猫は毎日私を疑っています。
私が出かける準備を始めると、じぃーっと私の動きを観察し、病院行きじゃないという確信が持てるまで、ずっと疑いをこめた鋭い視線で見つめます。
普通猫は一生の3分の2は眠っていると言われる程、穏やかにいつも眠っています。でもうちでは私が出かける支度を始めると病院行きを怪しんで眠らないのです。もう2ヶ月に1回でよくなったのに…。毎朝ただ会社に出かける準備でも、日曜の映画に行く準備でも、はっと空気が変わってしまいます。
「病院じゃないから心配しなくていいよ。」と、優しい声で話してもこれだけは伝わりません。
私は毎日鋭い視線を背中に感じたまま玄関を出ます。扉の向こうで猫の視線がふわぁ~と安堵に変わる瞬間を想像して、ゆっくり眠ってねと思いながら。
もう病院はやめにしようか、、、次は5月の予定なんです。