マザース三日坊主

六本木の牛丼屋

マザースのある六本木は外国人の多い街です。
ある日、お昼も食べずに熱心に働いていましたが、どうしても夕方過ぎた頃にお腹が空いてしまい、近くの牛丼家に駈け込みました。
店内には外国人観光客7人ぐらいが定食を食べていました。
その団体の隣に座って牛丼を頼み、時間もないので勢い良く食べていたら、何故か隣の外国人が競い出して、こっちをちらちら見ながら食べ出しました。
何故か早食い競争が始まっている。勝手に勝負されている。
周りの外国人観光客も何か良く分からないが、多分「頑張れ」とか「日本人なんかに負けるな」みたいなことを言ってくる。
英語分からないので、知らん顔してさっさと食べ終わればいいのですが(実際普通に早く食べて店出たかったけど)、急いで食べちゃうと「この日本人は勝ちにきている!」と勘違いされちゃうのも何だかなぁと思い、途中で水飲んだりケータイを開いたりしてわざと時間かけてみた。
結局、隣の外国人が先に食べ終わり、他の外国人たちも盛り上がる。
あんまり関わりたくないなぁと思いながらも、隣の外国人にチラッと視線を向けると、彼は嬉しそうに握手を求めて来た。
話しかけられたりもしましたが、如何せん英語が分かりません。 KEEPって単語は聞き取れました。
最後に空になったどんぶりを持って一緒に記念写真を撮りました。
彼らの旅の思い出になってくれれば良いなと思いました。

日記

制作6年目の菅原です。
ゴールデンウィークに実家の仙台に帰りました。
洗濯物を干す部屋に変わってしまった自分の部屋で、
昔読んでいた本や友だちとの写真など、懐かしく見ていました。
そこで中学生のときに書いた日記帳を発見し、読んでみると少し驚きました。
7月3日 今日はとってもがっかり。私が体育祭実行委員会で部活に遅れていったら
本当は山コースを走らなければいけないのに、団地コースを走ったみたい。
私がいないからってズルをしてラクをして、みぽや陽子(2人とも副部長)がいたのに、
なんだか裏切られた気分で悲しい。これでは新人戦には勝てないし、私がいないほうが
練習もラクでいいって後輩も思ってしまう。どうしたらいいのだろう…。
7月4日 今日はGOOD DAY!廊下で淳先輩と3回もすれ違った!
真由子がわざと大きい声で笑って、淳先輩がこっちを見るように仕向けていたけど、恥ずかしいからやめてほしい。でも見てくれたから嬉しかった!!やっぱりかっこいいな。でも武文先輩もかっこいい!どっちやねーん!
7月5日 今日、道徳の時間にSMAPの森くんが脱退することについて話し合った。岡さんはSMAPは6人だから自分のしたいことが他にできたからって途中で辞めるのはよくないって言ってたけど、私は他にやりたいことがあるのに、そのままSMAPを続けるほうが他の5人にも失礼だと思うし、人生1回しかないから好きなことをやればいいと思うと言った。大槻先生もうなずいてくれた。みなさんはどう思いますか?
ちょっと寒い文章表現や、誰に問いかけているのかわからないところもけっこうありますが、よくもまあ毎日、1日の出来事を1ページに書けるくらい色々なことが起きてるなーと思いました。
今の私が日記を書いても、こんな風にはならないんだろうな。
でも、よく読んでみるとテーマとして書いていることは大したことがなく、
初めてのことに興奮したり、小さなことでも喜びを感じたり、腑に落ちないことに怒ったり、中学生の私の心がいろんなことを繊細に感じ取っている。
良い意味で未熟だった、感受性豊かだったその頃を懐かしく、うらやましく、あのころの自分は素直で可愛かったじゃないかーなんて思いました。
社会人になり、この仕事のおかげで精神的にも鍛えられ、かなり可愛くなくなりました。
余裕のないときは本当にひどい。
靴下を裏返しに履いて気づいているのに、そのまま。優先席も「今の私は優先されてもいい!」と勝手に判断し率先して座る。冷蔵庫の上になすがあると思ったら腐りきったバナナ。深夜の通販番組を見て、あまり考えずに買ってしまう。書いていくときりがないくらいです。
あっでもこれは自分のだらしない性格のせいで、仕事のせいじゃないかも。
10年後、今の私の日記を読んで、笑えたら、うれしく思います。

マザース写真部・虹

先週、5/8(金)に虹が出ましたね。
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

このときはもう、アーチは半分くらいしか残っていませんでしたが、
外側にうっすらと二重になっていました。
rainbow01.jpg
空もきれいでした。
sky.jpg

共通イメージ

私たちCM制作の仕事はスタッフ間で仕上がりの共通イメージを持って仕事をしていて、
それはゴールに向かう上ですごく重要なことだと思います。
例えば監督が “あの映画のワンシーンのようなイメージで撮りたい”とか言うと、
我々スタッフは、”はい、分かりました。”といった感じで、
あとはイメージを具体化する為に動いていきます。
でも、たまに共通イメージがブレることもあります。
それは年齢とか世代の違いであったり、
育った家庭環境であったり、
育った地方のせいだったりするのかもしれません。
今から数年前の仕事ですが、ロケ地の交番を探してくることになりました。
当然本物の交番はお借り出来ないので、私は必死に歩いて交番に見えそうなところを探し回り、
ある潰れた焼き肉店に辿り着きました。
河原にある交番という設定だったのですが、その元焼肉屋は、私の暮らしていた街にほど近い、
福岡県久留米市の筑後川沿いにある交番とウリふたつだったのです。
私はその瞬間”あっ見つかった、これで大丈夫だ”と安堵の表情を浮かべたのを
今でも覚えています。
スタッフロケハンといって撮影前に必ずスタッフでロケ地の下見に行きます。
“これが今回の交番の候補地です。どう見ても交番。完璧ですよね。”
と胸を張って説明したのですが、
監督、カメラマン、いやほぼ全スタッフが
“いやいやどう見ても潰れた焼き肉屋でしょ”という反応でした。
“いや、私の住んでいた久留米の筑後川沿いにある、、、”と
私も心が折れることなく反論すると
美術さんが非常に優しい方で”まっ作り込めば見えますよ交番に、、、”
それを聞いたスタッフは”美術さんがそう言うなら、、、”
もちろんそこで撮影し、仕上がった映像もどっからどう見ても久留米の交番なわけですが、
今でもそのカメラマンに会うたびに
“あれはどう見ても潰れた焼き肉屋、プッ。”と笑いぐさになっています。
つい先日、久々にそのロケ地を車で通る機会がありました。
やっぱりまだそこにあったんですよね、久留米の交番が。

チロとわたし

わたしは犬好きですが、生まれてこのかた「犬を飼う」という夢は叶っていません。家族構成には変遷があるものの、家人の中に必ず「犬嫌い(というか動物嫌い)」が必ず一名含まれており、それがあらゆる決定権を掌握しているので、うまくいかないわけです。

そんなわけでご近所犬にはお世話になりました。日赤病院のレントゲン車倉庫にはペスとタロウがおり、ペスはヤキソバ、タロウはクリームパンに興奮していました。フルーツ滝の裏にはモモがおり、一緒にダンスをするのが日課でした。スナックKの駐車場にはアクセルがいました。血統書つきの立派なジャーマンシェパードで、兄姉弟はみんな警察犬になりましたが、アクセルだけが不合格でした。しかし近所では一番の人気者でした。

ずいぶん前になりますが、一度「犬を飼う」に近い経験をしました。PMで2年目くらいのころだと思います。低予算な仕事で、劇中に子犬が出てくる設定ですが、動物プロダクションに頼むには予算がありません。そんな中、ウィークリーレンタル犬というものがあると。お代は1週間で8千円也。撮影までは2週間ある。なんとか調教は自分で出来ると思ってしまいました。

数ある子犬たちのなかからマルチーズのチロに決まったまでは良かったのですが、そのあとのお店の方の説明を聞いて愕然としました。あたりまえですが、チロには食事もトイレも散歩も必要であると。そしてその世話をするのはわたしだと。その日から2週間、会社の小さな会議室にチロと同棲することになりました。

チロの朝ゴハンは早朝6時でした。トイレはいつもと勝手が違うのか色んなとこにします。散歩は晴れの日ばかりではありません。打合せなどで会議室を離れたりしますが遠くからチロに呼ばれます、寂しいぞと。結局、撮影準備とチロの世話に追われて、お芝居の練習もロクに出来ないまま、撮影前日の建て込みとなりました。

建て込みにはチロも連れていきました。本番さながらセットもあるし今日こそお芝居の特訓をやらなきゃ、とわたしは焦っていました。するとチロに異変です。フルフルと小刻みに震えてまともに歩くこともできないではありませんか。初めて来た場所で、知らない人たちいっぱい、大きな機材の数々。そりゃ犬じゃなくても緊張しますかね。特訓どころじゃありませんでした。う~む手ごたえゼロです。

とうとう撮影本番。ちなみにチロがやるべきお芝居は、「15秒1cutのCMで、ロングショット、上手からインしてきて、センターで立ち止まり一声ワンと吠えて、下手にアウト」というものです。幸い前日のフルフル病は収まっていて、スタジオには馴れてきたようですが、とてもそんな器用な事は出来そうにありません。スタッフもチロ(というかわたし)を信用していません。案の定リハーサルではまともにお芝居することはなく本番です。

犬は人間の心の動きに敏感だといいます。その時のわたしの思いは「最悪1回、欲を言えば2~3回うまくやってくれるとサイコーだが…。」というものでした。実際のチロはというと、1~3テイクまで完璧に演じきったあと、全く言う事を聞かなくなって、そのままお疲れ様となりました。しかし本番まで一回も出来なかった(やらなかった?)のに、何で出来たんだろうと、今でも不思議でなりません。

最近は、動物は動物プロダクション、ロケハンはロケコーディネイター、シズルはシズルスタイリスト、と分業する仕事が多くなっています。プロにはプロの技があってそれはとても心強いものです。でもPMが試行錯誤しながら自力でなんとかするっていうのも面白いんですがね。ま、以前のように、時間とみんなの心に余裕があればですけれど…。